パリにしては珍しいほど太陽が強く夏らしい週末、友達の車でDomaine Saint-Jean de Beauregard(ドメーヌ・サン=ジャン・ドゥ・ボールガール)に行きました。
広大な敷地に、17世紀のお城 Château de Saint-Jean de Beauregard や、鳩小屋、庭園、菜園・果樹園などがあり、気持ちいい芝生に座って一日のんびり過ごせる、気持ちいい場所です。
パリの南西25km程度、Île-de-France(イル=ド=フランス地域圏、パリ地方)Essonne(エソンヌ県)にあり、パリから車で1時間程度ですが、今のところ公共交通機関で行けないのが難点です。
偶然通りかかった乗馬学校を見学した後、再び車に乗りこんで、Saint-Jean-de-Beauregardに向かいます。
Saint-Jean-de-Beauregard入り口、小屋
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坂を上って、入り口到着。緑のカーテンをくぐって、中へ。
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ドアと窓枠と排水管がステキなくすんだグリーンで統一され、壁のクリーム色と相性抜群。柔らかい太陽光がノスタルジックな色を加えているせいか、木の影が壁に映ってそよ風で揺れている穏やかな光景を見ていたら、妙に懐かしい気分になりました。
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やけに小さくて奥行きがある小窓が、壁にポツンと付いています。暗くなってしまうはずなのに、なぜこんなに小さくしたんだろう…
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壁に鉄のリングがはめ込まれている、ということは…
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涼しげな色のドアから中に入ってみると…
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馬用の道具らしいものが。
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やはり馬小屋でした。馬は暑さが苦手で、暗くても目が見えるらしいので、小窓がいいんでしょうか。ガラスが小さい分、割れにくいし。
さっきの壁のリングも、たぶん馬用でしょう。今日はなぜか馬小屋に縁があります。
庭、池、不思議な彫刻群
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木が建物に張り付いて一体化しているのを見ながら歩いていきます。
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キャンバスに油絵を投げつけて作った絵画のような壁を通り過ぎると…
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視界がひらけて、小さな池が。左奥に何かがあります。鳥かな?
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と思って近づいて行ったら、動物が動物を乗り回しているという、予想外な彫刻群でした。
うつむいて歩く馬にまたがる、誇らしげな馬。バッファローのツノを持って乗り回すバッファロー…。
よく見ると二足歩行していそうで、着ぐるみを着た人間なのかなと思えてきます。風刺的なアートなのかな? -
サラサラ揺れる葉っぱの音を聞きながら小道を進みます。
回るハシゴ付き鳩小屋塔
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Pigeonnier(ピジョニエ 鳩小屋)に到着。小屋というより、塔です。
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ここはかつて鳩小屋だったと、地元のマダムが教えてくださいました。壁に無数の穴が合いていて、そこに鳩を住ませていたそうです。
壁際のハシゴは、小屋中央の柱とつなげられています。柱を軸にして回転する仕組みになっているため、ハシゴに登ったままで部屋中回れるという、賢いシステムです。
鳩は昔、食料や伝書鳩とするために飼われていたそうです。この鳩小屋の中でも、用途の違う鳩が混在していたんでしょうか。マダムも「いろいろ考えられるけど、本当のところは誰にも分からないわよね」と。 -
伝書鳩はフランス語で、pigeons voyageurs、旅する鳩。そう言うとなんだかロマンチックな響きですが、あの穴全部に多量の鳩がクルックーとこっちを見つめているところを想像すると、やっぱり背中がゾクゾク。寒くなったところで外に出ます。
サン=ジャン・ドゥ・ボールガール城と庭
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とげとげ尖っていて、ちゅるちゅる曲線的。きれいなデザインの門。
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17世紀に建てられたサン=ジャン・ドゥ・ボールガール城 Château de Saint Jean de Beauregardがみえてきました。
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屋根にはレンガ色の煙突。壁には石の装飾が。
よく見ると石の色は一つ一つ違い、形もちょっといびつで不揃い。いかにも職人さんが一つ一つ作ったんだなという感じがする、ハンドメイド風の素朴な味わいが加えられた、愛着がわきそうな可愛いデザインです -
整形式庭園もありますが、チラッと見て先へ。
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食べ頃はもうちょっと先かな。
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裏側に回ると、壁一面にツタが。涼しくて快適です。
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朝露が乗ったバンブーみたいなオブジェ。
太陽光で光るガラスらしき先端部分に、庭の景色が映っていてきれい。 -
極めて小顔な彫刻も気持ち良さそうにひなたぼっこ。
巨大ジョウロがある、気持ちいい菜園・果樹園
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写真左奥から、菜園に入りました。フランス式庭園にはないナチュラルさがある、気持ちいい場所です。
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ネギかな?リズミカルに並んだ丸いポンポンが風で揺れる姿がかわいい
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フランスには形が整った華やかな色の花壇が多いですが、ここはナチュラルな感じの花が多め。
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落ち着いた紫や
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微妙で繊細な色合いの植物など、種類が豊富です。
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高さが1.3mくらいある巨大じょうろのオブジェがドーンと置いてあります。ピーターラビット気分が味わえそう。
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壁の木組みにかわいい実がついています。
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桃のように見えます。こういうところでも栽培できるのかぁ。
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夏のパリ地方で、一日で一番気温が上がるのは夕方です。
歩いて暑くなったので、日陰になった芝生の上でのんびり休憩します。
ヨーロッパの芝生はふわふわ厚みがあって座り心地抜群で、低湿だから蚊や虫も少なく、くつろげます。ここの芝生も快適です。 -
帰り道、お城で飼われている人なつこい犬が、出口近くまでずっとついてきました。訪問者たちを見送ってくれるのかな
地図
91940 Saint-Jean-de-Beauregard, France
Château Saint-Jean de Beauregard
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