パリのメトロ特有の匂いに関するフランス語記事についてメモ

パリのメトロは独特のにおいがしますよね。
洗剤・消毒液の類か、車輪の摩擦か…などと友達と推測しあっても結局分からず。

この疑問を扱った記事(By Melissa Bounouaさん)をみつけました。
http://www.megalopolismag.com/mais-pourquoi-ca-pue-autant-dans-le-metro-parisien/
香りのプロCéline Ellenaさんによる各駅の表現がおもしろいです。

Châtelet

Châtelet-Les-Halles駅の、長い赤い通路

写真は、1日に75万人が利用するパリの主要駅Châtelet-Les-Halles(シャトレレアール)。
乗換駅だったので毎日利用していましたが、独特の甘ったるい空気が漂っています。
セリーヌさんによると、「硫黄、腐った卵、汚れきった靴下、猫のおしっこ…が多量のスズラン系&グレープフルーツ系香水でごまかされてる」となります。

「Opéra、Havre Caumartinは、ネズミの糞。
特に、夕方はブレーキのせいで、熱したプラスティックの匂いがする」
パリ中心部のCitéは「キノコ、いいカビ」と。いい具合に発酵してるんでしょうか。

映画「アメリ」でさらに有名になったサクレ・クール寺院界隈にあるAbbessesは、
「消毒剤に混ざった尿の酸っぱい匂い。
エレベータのロープやら歯車やらの機械用油のせいか、べとついた埃の匂いも」
私は壁の絵に目を奪われて意識したことがありませんが。

クリニャンクール蚤の市に近い北のはずれのPorte de Clignancourtは、
「駅を出たところにあるケンタッキーのチキン。いろんなスパイスと、新旧両方の油も」

シャンゼリゼ通り、グランパレ近くの駅Champs-Élysées – Clemenceauは
「シャネルの5番。隣のパーキングがシャネルN°5かサンローランのRive Gaucheみたいな香りで脱臭してある」
生活水準が高いきれいな人が多いこの地区らしいですね~
いわゆる「パリのイメージ」は、これでしょう。

Céline Ellenaさんは、ブログ Chroniques Olfactivesでパリのメトロ各線についても書いています。
彼女によると地下鉄のにおいは季節、時間帯、地域色によって変わるんだそうです。

電車で飛び込みがあった日は、血のにおいが…というRER運転手の証言はリアルで
思わず鼻翼を縮めてしまいます。

PyramidesとMadeleineでは、硫化水素(H2S)が検出されているんですね。
そのあたりを通る時、「電車内で温泉を思い出すなんて、温泉が恋しくなったのかな…」
なんて思っていたんですが、気のせいじゃなかったんですね。
14番線が通っているのは、自由地下水の下。
浸透した水が土壌中の成分と反応して硫化水素が発生するため、独特の硫黄臭がするんだそうです。

鉄道会社も昔から大金をかけて対策を練っていて、90年代からは香りのプロに相談しているそうで。
50年代から天然アロマの殺菌スプレーを常備しているなんて知りませんでした。

「いかにしていい香りをまくか」の策というのは:

・Javel(漂白剤)の代わりに、ラベンダーの香りのMonsieur Propre(ミスター清潔:D)洗剤を使う。
・ぞうきんじゃ掃除しきれない広い場所にはアロマオイルを噴射する。
・香りを目に見えないマイクロカプセルにして、人の足下ではじけるようにする。
アロマを加えてもにおいがさらに複雑になるだけじゃないかとも思いますが、
あくまで香りでごまかそうという発想が香水大国 :)
やっぱりパリの駅のあの甘ったるい香りの元は洗剤類なのかなという気がしてきました。

参照元記事は「地方にはない生活臭があってこそパリ生活って感じがする」という意見も紹介しています。
脱臭したらしたで、「不快だけど懐かしいパリの香りはどこにいった」とか文句がでそうな気も:D
周辺の食品店やら人やら動物(パリはペット連れ乗車OK)やら洗剤類なんかが混ざり合った駅の空気。
たまに息苦しくなるけど、確かにパリだなぁと感じます。

26/02/2010

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