パリで夏メトロに乗ると、エアコンがなく暑い車両が結構あって、自転車や徒歩の方がずっと快適だな… とぼんやり思っていましたが、実際どうなのか調べてみました。
エアコン付き車両は2020年頃には増えるようですから、昔話になるんだろうなと思いながら、2018年の状況をメモしたいと思います
冷房なしで平気だったフランス
湿度が低いため日陰は涼しく、エアコンがなくても大丈夫だったフランス。
ところが一昔前から気候が変わって、猛暑(とはいえ日本より若干ましな程度)に襲われる年が出てきたため、エアコン設置などで暑さ対策をするマンションや家が増えてきました。とはいえ、エアコンいらずだった歴史が長いため、普及率はまだ低めです。
それは電車も同じ。
日本の電車はガンガン冷房が効いているので信じがたいかもしれませんが、
フランスでは、気温が高い南の方ですら、冷房なしの電車が普通に走っています。
パリのメトロで冷房完備なのは14路線中5路線のみ
パリでも、冷房なしの電車が走っています。熱がこもって30度以上の暑さになる電車もあり、外の日陰を歩いた方が快適です。
冷房付きの路線はこれ
2018年夏現在、パリのメトロの一部と、トラムウェイの7路線では、冷房(ventilation réfrigérée)付きの電車が走っています。
- Ligne 1(1号線) La Défense – Château de Vincennes
パリのど真ん中を東西に横切る、古い路線。ヴァンセンヌの森、リヨン駅、バスティーユ、マレ地区、シャトレ、ルーヴル、凱旋門、シャンゼリゼ大通り、デファンスなど、旅行者に人気の場所を走り抜けており、世界一の観光都市のイメージを背負っているともいえます。 - Ligne 2(2号線) Porte-Dauphine – Nation
- Ligne 5(5号線) Place d’Italie – Bobigny
- Ligne 9(9号線) Pont de Sèvres – Mairie de Montreuil
- Ligne 14(14号線)の一部(車両32個のうち11個)Saint-Lazare – Olympiades
- RER A線の一部、RER B線の2/3の車両
- トラムウェイの7路線
冷房がない路線
4号線、7号線、7bis線、8号線、13号線、14号線の21車両は、冷房ではなく、屋根から外気を吸い込んで風を送る送風機(ventilation mécanique forcée)が付いていて、生ぬるい空気を感じられます。
それ以外(3号線、3bis線、6号線、10号線、11号線、12号線)は、通気口だけ(ventilation naturelle)なので、ちょっとしたサウナ気分が味わえる日もあるかもしれません。
全メトロに冷房をつけない理由
なぜ全車両に完備しないのかについて、地下鉄などを運営するRATPは、いくつかの問題点を挙げています。
- 地下鉄のトンネルと、電車の屋根の間のスペースが狭く、設備に悪影響が出てしまう。
- エネルギーを消費し、環境破壊につながる。
- エアコンの排気で、ホームが暑くなる(2015年ニューヨークでは、駅ホームの気温が50度にまでなったそうです)
バスは?
バスは景色が広がるので気分的にはましですが、ドアがしょっちゅう開くので、外が暑い日は特に暑くなります。
2019年から購入する新車両は冷房完備にしていくそうなので、もうすぐ涼しくなりそうです。
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