パリ&周辺電車バス乗り放題のNAVIGO他パスと切符まとめ

パリの交通機関は、かなり便利。
市内の電車・バスは均一料金で、乗り放題のフリーパス定期券の種類も豊富。1日・数日・1週間・月・年から期間を選んで買えるNavigo乗り放題パス、旅行者用パスなど、いろいろあります。
移動範囲と使う日数によって賢く選べるよう、料金表を追記してまとめました。

Navigo(とその前身)は毎年値上げされてきましたが、Gilets jaunes(ジレジョーヌ 黄色いベスト運動)の影響で、2019年の価格変更は行わないという発表がありました。

フランス パリ 電車

切符と回数券

パリ市内の電車・バス共通の切符 Ticket t+

東京では、メトロ、都営線、JR、私鉄、バスの切符が統一されていないので鉄道会社ごとに使い分ける必要がありますが、
パリ市内の電車(メトロ、RER、トラム)、バスは均一料金で、切符も全線共通です(空港直通便や観光バスは含みません)。
「パリで電車やバスを使うけど定期はいらない」というなら、回数券を買っておくと便利です。
4歳以下の子供は無料です。

Un ticket(切符1枚)は1.9ユーロ、
Un carnet(回数券10枚セット)は、14.9ユーロです。
駅、メトロ、トラムの窓口や取扱店で買えます。

切符一枚で、メトロ・RER各線の乗り継ぎOK(改札を通って2時間以内・パリ市内のみ)。
バスとトラムウェイは、最初から最後まで1時間半の範囲内で乗り継ぎOK(バス往復などは不可)。
funiculaire de Montmartre(モンマルトルのケーブルカー)は、単独で切符1枚必要(乗り換え不可)。

バスに乗車してから車内で買う切符は、1枚2ユーロで、乗り換えができない、ちょっと不便な代物です。

パリの外に行く切符 Billet Origine-Destination

(フリーパスを買わずに)パリの郊外などに行く時は、出発地・目的地を指定して、切符または10枚組の回数券を買います。
料金は行き先によって違います。
事前に知りたければ、SNCFの乗り換え案内で、出発地と目的地を入れて計算できます。 空港とパリ間のバス・電車については後述します。

どのプランを選ぶか決めるのに必要な「ゾーン」についての知識

定期パスにはいくつか種類があります。
どれを買えばいいかは、①使いたい「期間」、②使いたい「Zones」(乗り放題可能な範囲)によって違います。
まず②の「ゾーン」について説明します。

パリの20区&電車バスのZone区分マップ

パリ市内(1から20区まで)は、Zone 1(上のイラストの黄色い部分)です。
パリに近い郊外(ベージュの円)はZone2、
オルリー空港やヴェルサイユはZone 4、
ロワシーCDG空港は、Zone 5です。

↓詳しいZoneマップは、RATPで見られます。 Navigoゾーン

Navigo以外のパス

Forfait Mobilis

モビリスは、一日乗り放題パス。Navigo 1日パスと同じく一日乗り放題のパスで、料金表は同じです。Navigoとの違いは、写真付カードが不要な点と、(チャージではなく)駅で買って、使い捨てる点。
また、モビリスでは、空港直結バス・電車(Orlybus、Orlyval、Roissybus、Orly、電車RERでのCDG空港便)には乗れません。改札機に通すタイプのようです。

観光向けの1-5日パス Forfait Paris Visite

Zones 1-3
1日 12 € / 2日 19,50 € / 3日 26,65 € / 5日 38,35 €

Zones 1-5
1日 25,25 € / 2日 38,35 € / 3日 53,75 € / 5日 65,80 €

一日パスから五日パスまである、観光向けのパリ・ヴィジット。ほとんどパリにいるなら、1日乗り放題パス(MobilisかNavigo Jour)より若干割高です。
このプランのメリットは、RATP・SNCFの駅窓口だけでなく、日本など海外の代理店でも購入可能で、有名観光地の割引券(凱旋門入場料20%割引など)がついていることのようです。旅行前にあらかじめパスを買っておきたい人や、メジャーな観光地巡りをする予定の人にはいいのかもしれません。

あと、他の乗り放題パス(MobilisやNavigo)には含まれていないOrlyval(パリの南方のAntony駅とOrly空港を結ぶオルリーヴァル)が、このプランでは使えます。空港に行く手段は他にもあるし、シャルル・ド・ゴール空港を使う人も多いですから、不要な気もしますけどね。

26歳以下&土日祝日限定1日パス Ticket Jeunes Week-end

26歳以下の人が土日祝日に使う時は、モビリスやNavigo Jourより、この一日チケットの方が安いです。
Filéo、Orlyval、Orlybus、Roissybus、CDG空港へのRER Bは含まれていませんが、CDG空港行きの350線・351線、オルリー空港行きの183線、tram 7、RER Cは含まれています。

あらかじめチケットに以下の情報を書き込んでおく必要があります。検札の際は、年齢がわかる身分証明証を一緒に提示します。

・Valable le…: 使用する年月日
・Nom: 苗字(姓)
・Prénom: 名前

1-3ゾーン 4,10 €
3-5ゾーン 5,25 €
1-5ゾーン 8,95 €

他にも、通学専用バスや、職業訓練中の若者用などの特別な割引パスがあります。

空港とパリを結ぶ電車・バス

空港とパリを移動する手段は、電車(RER)、直通バスやシャトル、タクシーなど、いくつもあります。

・(空港ゾーンを含む)forfaits Navigoパスを持っていれば、Orlybus、Roissybus、RER C(オルリー空港)、RER B(シャルル・ド・ゴール空港)に無料で乗れます。
・Mobilisは、RER Bには使えませんが、(Zone4を含んだものを買っていれば)RER C(オルリー空港)には使えます。
・Paris Visiteの zones 1-5で、Orlyvalに乗れます。

l’aéroport Paris-Charles de Gaulle シャルル・ド・ゴール空港

空港サイト に詳しく載っています。主なものの所要時間を抜粋します。

・電車(RER B):空港 – RER Bの各駅(パリのChâtelet les Halles 約35分〜)。
・バス Roissybus:空港 – オペラ 約1時間
・バス Le Bus Direct:空港 – (ligne 2)エッフェル塔 約45-70分、(ligne 4)モンパルナス駅 約70-80分

RER Bの停車駅(パリ中心の便利なレアール駅など)と滞在地が近ければ、電車が安くて早いですね。滞在地とOpéraが近ければ、Roissybusも楽です。

l’aéroport d’Orly オルリー空港

空港サイト

・電車(RER CのPont de Rungis駅)+ GO C Parisバス(Pont de Rungis駅 – 空港):空港 – RER Cの各駅 ( 約35分〜)
・電車(RER BのAntony駅 – パリ間)+ Orlyval(Antony駅 – 空港):空港 – パリの南方のAntony駅 – パリ 約35-45分
・バス Orlybus:空港 – Denfert-Rochereau駅 約30分
・バス Le Bus Direct:空港 – (ligne 1)凱旋門

電車は乗り換えが面倒… Orlybusが早くて楽そうですね。

おまけ:パリとパリ地方の定期券の変化

旧Carte Orangeと新Navigo

puce

Navigoは、Carte à puce (ICチップ付カード)です。
フランスはICカード先進国で、銀行カードにもテレフォンカードにも、ずいぶん前からICチップが付けられています。
ですが、Navigoの前身、Carte Orange カルト・オランジュ(オレンジカード)は、一見切符と同じような磁気式チケットを自動改札機に通すというもので、ICカード式ではありませんでした。自分の写真を貼ったカード(素材はただの厚紙)を携帯するしくみは、Navigoと同じです。2006年からナヴィゴへの移行が始まり、2009年2月に廃止になりました。

料金体系とゾーンの変化

かつてパリ市内用の定期券は安かったですが、料金システム変更と毎年の値上げにより、今ではだいぶ高くなりました。
パリの1ヶ月定期は、2000年 43.45ユーロ、2005年 51.5ユーロ、2010年 60.4ユーロ、2015年 70ユーロ、2018年現在、75.20ユーロ。つまり18年間で、約1.7倍です。
ゾーンの区切りも何度も変更されており、8ゾーンに分けられていた時期もありましたが、現在は5ゾーンにまとめられています。

以前は、パリを中心にした料金体系(Zone1–2、1–3、1−4…)だったので、パリ用(Zone1–2)定期は最安で、パリ住民やパリ旅行者には好都合でした。逆に、パリから遠い地域に住んでいる人は、地元の電車に乗るだけなのに、パリまで含んだ高い定期を買わざるを得ませんでした。
例えば2005年のパリ用定期は51,50ユーロで、一番遠い地域用(Zone1−8=全ゾーン)は139,90。3倍近くです。関東に例えると、栃木で暮らす人が、東京にも行ける高い定期を買わされている状態です。

ところが、2015年9月から料金体系が変わりました。
最小のZone1–2が廃止され、逆に今度は、パリ用(Zone1–2)を使う人が、(郊外に全く行かなくても)フルゾーンを買うしくみになりました。
そして、外側のゾーンに住む人は、地元周辺専用パスにするか、フルゾーンパスにするかを選べるようになったわけです。郊外の方がパリよりも低所得な傾向がありますから、この方が以前より平等といえそうです。

以前は、「家賃は高めでも交通費が低い分ギャップが埋まるから、どうせならパリに住もう」という計算ができましたが、
郊外からパリに通勤通学するのと、市内に住むのとで定期代が同じになった(&パリの地価が高騰した)現在では、パリと郊外での生活費のギャップがますます開いて、郊外の方が全部安上がりになりました。

このNavigoの料金変更は、小さいながら、郊外への移住者増加の後押しをしているかもしれません。
また、パリ住民や、パリに1週間以上滞在する旅行者が、近郊の観光地や町に旅してくれるきっかけにもなるのかな?と思います。

パリの電車・バス各線共通の切符・回数券・フリーパスは、かなり便利。東京にも普及してほしいなぁと思います。
料金や条件などは変わることがあるため、最新情報はNavigo 公式サイトでご確認ください。

04/08/2011

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  1. […] ュエル)(1年間 パス)   料金: 827,20 €   (1か月68.93)      + 書類作成費7,60 €   Île-de-Franceで働く人&居住者用(La carte Navigo personnalisée ナヴィゴ・ペーソナリゼ)専用 […]

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