パリの住所、番地の並び方ルール
番地とストリート名を聞けばスマホなしでも行ける
日本では住所を聞いても、マップや詳細住宅地図がないとたどり着けないことがありますが、フランスでは、住所さえ分かれば簡単に行けます。
- 全ての道の名前は、(キオスクでも買える普通の)マップに載っているし、駅やバス停の地図でも結構いける
- 道の名前や番地のプレートが街中いたるところにつけられている
- 番地(数字)の並び方に法則がある
からです。
スマホの電源が切れてる!マップ持ってない!なんて時でも、バス停なんかの地図を見たりしながら歩けばOK。近くまで行ってみて見つからなければ、お店の人や通りすがりの住民に聞けばたどり着けます。
柵に取り付けられた落書きだらけのポストとプレート。こんな読めないものもたまにありますけどね
フランスは小道にも全て名前がある
フランスの住所は「番地+道や広場などの名前+区ごとの郵便番号」なので、小さな通りにもきっちり名前がついています。
建物だらけの都会で道が長いと、番地が大きくなってしまいますから、見た目は一本道でも、地図上は区切られていて、名前がちょいちょい変わります。
著名人の名前だらけ。ジョブズ通りは幻に
パリには、歴史上重要な人物(政治家、学者、アーティストなど)の名前がつけられた場所が数多くあります。2016年12月には、13区に”rue Steve Jobs”(スティーブ・ジョブズ通り)が誕生するかという話が出ていましたが、否決されてボツになりました。
フランスの道については、別ページにまとめました。
パリの番地の並び方にはルールがある
パリは、セーヌ川を基準にして、番地カウントの規則が決められています。基本的には、次の通りです。
- セーヌ川に平行な道:川上(東の方)を起点にして、カウントをスタート。水の流れに沿って川下(西の方)に行くほど、数が大きくなります。
- それ以外(川に垂直な道・斜めに接する道):(道の両端のうち)川に近い方からスタート。川に背を向けて歩く(中心から離れる)と、どんどん数が大きくなっていきます。
- 道の右側は偶数、左側は奇数で、左右交互に番号を振ります。
知っている道なら番地を聞くだけで、道のどっち側か分かります。建物の大きさなどによって計算ズレは生じるでしょうが、大体どのへんかも想像できますよね。
パリの郵便番号は区ごとで分かりやすい
パリの郵便番号は区ごとに分かれていて、750xxという形になっています。たとえば1区は75001で、16区は75016です。
日本の郵便番号は複雑なので、例えば東京の郵便番号を見ただけで何区なのか・どこらへんなのか分からない人が多いと思いますが、パリの場合は一目で分かります。
パリ&近郊の郵便番号
フランスの郵便番号の上二桁は、県番号です。
フランスには県が101個もあり、それぞれに番号が振られています(Ainの01に始まり、だいたいアルファベット順だけど変則的)。県としてのParisの番号は、75です。
パリの周りの郊外(banlieue parisienne)・イル=ド=フランス地域圏(Île-de-France)の県番号(=郵便番号の上2桁)は、次の通りです。
・パリに隣接する3県:
パリ西半分に隣接するHauts-de-Seine オー=ド=セーヌは92、パリ北東のSeine-Saint-Denis セーヌ=サン=ドニは93、パリ南東のVal de Marne ヴァル=ド=マルヌは94。
・その外側の県:
北のVal-d’Oise ヴァル=ドワーズは95、
南のEssonne エソンヌは91、
西のYvelines イヴリーヌは78、
東のSeine-et-Marne セーヌ=エ=マルヌは77。
住所プレートに注目すると楽しい♪ 街中宝だらけ
私は看板、ドア、窓、ひさし、フェンスなど、建物の装飾類が好きです。ポケモンには数日で飽きましたが、街歩きは延々楽しめます。
装飾やデザインや歴史などに興味がある人にとって、古いものが多く残る街並みは、レアものだらけの宝島。
フランス他多くの国で町中いたるところに設置されている道や番地の表示板も、普通に歩いている時は意識しきれませんが、ゆっくり散歩すると、意外なところに設置されているものや、古いもの、特殊で珍しいレアものが見つかったりして楽しいですね。
こちらはパリ15区のPlace Romain gary(ロマン・ガリー広場)の街灯につけられた、パリでよく見るタイプの住所板。
小説家・映画監督でもあったロシア出身のRomain Gary についての説明が5行付け加えられています。
フランス北部のDeauville ドーヴィルの海辺でたまたま通りかかったPlace Claude Lelouch(クロード・ルルーシュ広場)のは豪華版。
木にブルーの文字で書かれたアドレスプレートの下に、ブルーが涼しげな大きい説明板がつけられていて、
オスカーやパルムドール他数々の映画賞を受賞したLelouch監督の1966年の映画”Un Homme et une Femme (男と女)”が撮影された広場だと説明してあります。
私は子供の頃から映画をせっせと見ては忘れ続けていますが、この映画は日本でもパリでもリバイバル上映を見て、海辺シーンもしっかり記憶に残っています。
まぁでもフランスでは映画好きしか知らないような古い作品ですから、私が行った時はこれ目当ての観光客はほぼいなくて、静かで落ち着いたいい雰囲気でした。
(いつか気が向いたら、Deauvilleとその近くのサヴィニャックの街 Trouville の写真を整理してメモしたいと思います。)
ナンバープレートは、青地に白の四角いタイプをよく見かけますが、いろいろなものがあります。
こちらの写真の三角タイプは、19世紀の第二帝政時代の建物によく使われていたものらしいです。Art nouveau アールヌーヴォーの建築物に馴染む、きれいな番地表示。
Georges Cuvier ジョルジュ・キュヴィエについての1行説明(naturaliste 博物学者)がついた、Rue Cuvierのプレート。
その下にある、ホートのオールみたいな形の石碑のようなものは、目の前の噴水 La fontaine Cuvier(フォンテーヌ・キュヴィエ)の歴史についての説明オブジェです。
ベースは建物に馴染む色で、レッドがアクセントになっています。
この Histoire de Paris(パリの歴史)シリーズは、パリのあちこちに設置されていますので、
歴史に興味がある人や、スタンプラリー系が好きな人は、これを探してパリを歩きまわるという楽しみ方もできますね。
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