Château de Chamarande シャマランド城
Île-de-France(イル=ド=フランス地域圏、パリ地方)Essonne(エソンヌ県)にあるDomaine de Chamarande(ドメーヌ・ドゥ・シャマランド)は、パリから南へ35kmくらいのところにあります。
友達に車で連れて行ってもらいましたが、電車+徒歩でも、パリ中心部から1時間ちょっとで行けます。
お城はほどよい大きさで、緑と水がたっぷりの庭(森)が最高です
足早に訪れると魅力がフルに味わえないかもしれませんが、有名観光地と違ってまだ人が少なめで、
晴れた日に一日ゆっくり過ごすと妙に幸せな気分になれる、内緒にしておきたくなるようなお気に入りの場所です。
お城というと、ヴェルサイユ宮殿のような天井が高くて広くて、随所にゴールドが使われた豪奢な建物を想像するかもしれませんが、
このお城は、もっと地に足がついた感じ。誰かの記念館や豪邸のイメージに近いかもしれません。
Centre d’art contemporain(現代アートセンター)としても使用されており、私たちが行った時も
Château de Chamarande シャマランド城(シャトー・ドゥ・シャマランド)とその庭をメインに、作品展示(無料)が行われていました。
コンテンポラリーアートといっても、とがっていなくて、ふわっとした感じ。現代美術館とは違ったフレンドリーな雰囲気の中、作品を楽しめました。
お城の後は、広い敷地を水辺に沿って散歩。
風で木が揺れてサワサワいう音、小鳥の声、キラキラ輝く水面、木もれ日、遠くにかすかに聞こえるカヌーで遊ぶ人たちの楽しそうな声、おとぎ話に出てきそうなかわいい木の橋…
穏やかで平和で、おとぎ話の中に入ったような、タイムスリップしたような気分になります。
入り口からお城へ
ふわふわの芝生と木々の中に、小さな建物が。木のドアもヴィンテージ感があっていい感じ。
中に何か見えます。のぞいてみると…
カラフルな旗がいっぱいの、かわいい作品!窓からふわぁっとやさしく午後の太陽光が入って、なんだかノスタルジックな気分になります。
鏡みたいな小さな池の横を通って、シャマランド城の方へ。
水辺の木陰には、気持ちよさそうに寝ころぶ彫像。遠くの芝生の上には、くつろぐ人々が見えます。
青々とした芝生の向こうに、シャマランド城が見えてきす。
お城と庭の間には、石橋が。今は芝生だけど、昔はお城の防御のために、水をたたえたお堀だったんじゃないかな?
一瞬、ハシゴ?工事中かな?と思いましたが、実はアート作品の一部。
流しそうめんをしたくなるような、廃材をつないで水を流したオブジェも。
お城から庭に長く続くホースの先端には、ロードコーンが。
かわいいお城に工事現場の要素を加えた、遊び心あるインスタレーションでした。
ゴールドとブルーグリーンのきれいな装飾も、格子窓、レンガもいい感じだなぁと言いつつ、コンテンポラリーアートセンターになっているお城の中に入ります。
シャマランド城の中
壁にかわいいお花の彫刻が。石がいかにも柔らかそうで、彫刻している場面が目に浮かびます。
Daniel Firmanさんのインスタレーション、«Butterfly»。スクリーンに写った光がフワフワとさまざまに姿を変える作品は、心地よくてずっと眺めていたくなります。
手前に座っているのは見学者だと思っていたら、クマの敷物に座った人形でした。友達に言われてびっくり。作品はスクリーンだけじゃありませんでした。
廊下にはピエロのオブジェが。二人のなんともいえない表情&くたびれた感じの髪型と、レトロ感あるポップなファッションの対比が、笑えるような哀しいような。
松ぼっくりみたいなオブジェと、ちゅるちゅる装飾がついた手すりのある石階段を上ります。
一見、取っ手を半回転してロックを外す、フランスの普通の窓ですが…
ガラスをよく見ると、歪みやヒビが入っていて、外の景色がところどころ歪んで見えます。古い時代に作られたガラスだそうです。
ヒビとやわらかい日差しが、壁に繊細な模様を描いて、なんだか懐かしい気分に。
ツルのようにちゅるちゅるしたアンティークゴールドのシャンデリアと、ブルーグレーがぴったり。
味のある木、波のようなデザインがステキです。古い時代のものなんでしょうね。
大きな木目のナチュラルな木の扉と、取っ手の雰囲気がよく合っています。
シャマランド城の庭
外に出て歩いて行くと、川のような池のようなものが。遠くでボートで遊ぶ人たちのかすかな声が、小鳥の鳴き声や、さわさわ揺れる葉っぱの音にスパイスのように混ざって、心地いいサウンドができあがっています。
木々と水面が暖かい太陽でキラキラ光る水辺へ。美しい風景、音、光、風、気温、すべてが完璧で、非現実的なまでに心地よく、ヨーロッパの中世の物語に入り込んだような感覚になります。
流れに沿って歩いていきます。
ここで食事したらきもちいいだろうな♪
トラックが。
彫刻が外を見ています。リンカーン像?
もこもこした木々の中に、きれいな橋が見えてきました。ワクワクしながら近づいていきます。
華奢なちゅるちゅるデザインの橋です。可愛い
夜でも明るい夏のフランス。まだ4時くらいだと思っていて時計を見たら、もうクローズ時間の20時でした!
20時過ぎ、夕暮れに包まれたお城。
白い十字は、オブジェかなベンチかな、と思いながら急ぎ足で出口にむかうと、係員のおじさんが乗り物で見回りにやってきて、「閉めちゃったから出られないよー」と言われました。
え、どうしよう。しょうがない、お城で寝ようか?なんて言っていたら、
おじさんの冗談でした。
なんだ、よかった。お城に泊まれなかったのは、ちょっと残念ですけどね:)
地図、行き方
Chateau de Chamarande:38 Rue du Commandant Maurice Arnoux, 91730 Chamarande, FRANCE
パリから電車で行く場合、RER CのSaint-Martin-d’Etampes行き(30分に1本くらい)に乗車。Gare de Chamarande(シャマランド駅)から約200m、徒歩数分。
Domaine de Chamarande
(↑新しくサイトができていました。)
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