北野武監督の「アキレスと亀」のフランス公開は、昨日3月10日。これにあわせて面白い記事が出ました。
“Kitano”といえば、ヨーロッパでは偉大な監督として扱われるのが常ですが、
日本のTVに欠かせない「ビートたけし」も紹介する、Jérémie Couston氏のルポルタージュです。
昔雑誌編集部に殴り込んで逮捕されたけど才能のおかげで復帰した、ツービートに至るまでいろいろな職に就いた、「殿」として君臨している、事故後に絵を描き始めた…などのエピソードから、日本のTVでの影響力、過去の名物番組まで取り上げています。
TELERAMAの元記事に埋め込まれている動画は、ちょっと昔の?ビートたけし出演CMや、たけし軍団がパンツいっちょでゲームする番組、「風雲たけし城」など。笑えます[rire] 記事を読んで気になったところをメモします。通訳が和仏訳して記者が書いた部分を日本語に戻すのもあれですがまずは、インタビュー時の話。事務所とのやりとりはカジュアルじゃなく綿密で、ちょっと大変だったけど、本人は礼儀作法なんてお構いなしという様子。
ぶかぶかなスーツで、ソファに倒れ込むように座る...
彼と目を合わせるのはまず無理だろう...
という文。何だか目に浮かぶような気がします
...Kitanoは自分を芸術家と考えていない。
「俺は100円ショップの親父みたいなもんで、適当なものを売ってるんだよ。 一つが売れなきゃ別のを持ってくる。長い間そうやってきたもんだから商品が増えちゃった。 まぁこれからも自分に合うものを探していくつもり」...
(↑ 謙虚ですね。)
...彼は軍団と飲み明かし、朝数時間しか眠らない。一人が嫌いで、ほぼ1日中、仲間と一緒にいる。
(↑ 短時間睡眠者って本当にうらやましい。)
...「ハリウッド映画の暴力の扱い方はおかしいな...実生活では、暴力はあんなに何時間も続かない。突然、さっと一瞬ではじける暴力は、俺のトレードマークにもなってるわけだけど」...
...家計は奥さんが管理していて、彼は妻から金を貰っている。
「こんなこと言ったらいかにも日本人だって思われそうだけど、好きなことだけやってちゃダメだと思うんだよね。後々役に立つ経験をするには、ちょっと嫌なことをやるってのが大事なんだ。」...
...彼の時間の使い方は、TVに1週間、映画に1週間と、かなりシンプル。...
週に最低7本のTV番組に出ていて、おおむね視聴率が高いため、金の卵を産む鶏と化している。
番組撮影に立ち会いたかったが、2ヶ月前には予約してもらわなきゃ…と事務所に断られた。...
...ビートたけしのTVでの活躍は、日本国外では知られていない。...お笑いといっても、非常に幅が広く、
Guy LuxとArlette Chabot、Michaël Youn、Jean-Luc Delarue、Julien Lepersを合わせたようなものなのだ。
「今の日本のテレビ番組はほとんど、多少なりとも俺が10年か2?30年前に考えた番組の流れをくんでる。若い司会者はそういう番組に影響されてる世代だし、俺の真似もする。いいと思うよ。そうなると俺も、また新しいことを考えようって思うし。」...
...1994年のバイク事故でTVから一時離れ、Kitanoは絵を描くようになる。
「夜寝てる時にイメージとかシーンが浮かんで、時々無性に絵が描きたくなって、起きて描くことがあるんだ。」...
何枚かは映画「Hana-bi」で見られるわけだが、彼は絵を売らず、長い間披露もしなかった。「題名つけるほどのもんじゃない」と言って、絵にタイトルをつけていない。...
で、最後に、今回公開の映画について書いてあります。
「北野」のファンは多いのに、フランス人が「ビートたけし」に興味を示さないのがずっと不思議だったんです。
「お笑い」というジャンルがあり、それがかなりの割合を占めている日本のテレビは特殊な気がしますが、
この人がいなかったらやっぱり違ってたんだろうなぁ…とあらためて思う記事でした。
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