パリの街中に残る古代ローマ遺跡 Arènes de Lutèce
Les arènes de Lutèce(アレーヌ・ド・リュテス、リュテス劇場/闘技場)は、パリ5区(パンテオンやソルボンヌ大学などの近く)にある、紀元1世紀に作られたという古代ローマ遺跡。
かつて闘技場、サーカス、演劇の舞台などとして使われていたアリーナで、17,000人を収容できたであろうといわれています。
現在は一般公開されていて、普段は近所の小中学生、高校生などが多いイメージ。市のイベントが開かれることもありますが、今のところ観光客は少なめなので、座ってのんびりひなたぼっこするのにちょうどいい穴場かもしれません。
ヴィンテージ感ある焦げ色や、味のある古い壁が好きな私にはたまらない場所です。
アレーヌ・ド・リュテスお散歩アルバム
Rue Mongeの入口から中へ
アレーヌの入口は3カ所あり、どれも住宅街に静かに溶け込んでいます。
うち2つは、公園への入口のような雰囲気で、残りのひとつは、Rue Monge(リュ・モンジュ モンジュ通り)の街中にあります。
Rue Mongeは、朝市場になるMonge広場、Carrefour Market(スーパー)、Hamm(楽器のお店)、花屋さん、雑貨屋さん、銀行、
Éric Kayser メゾンカイザー(パン&スイーツとデリ屋さん)などなど、たくさんのお店が並び、バスが行き交う、わりとにぎやかな通りです。
rue Mongeの出入口は、一見普通の住宅のような扉。
14区のカタコンブもそうですが、入口はあえて特別感を出さず、カモフラージュしているかのような印象を受けます。ひっそり隠れるように街に溶け込んでいるので、気づかずに通り過ぎそうになります。
きれいなグリーンのドアを入って振り返って外を見ると、見慣れた道が、なんだか離れた世界のように感じられます。階段を降りていくと…
ゆっくりできるエリア、闘技場と檻
-
円形闘技場が目の前に広がります。緑と広い空がきもちいい~*
-
闘技場の真ん中に立って入口の方を見ると、建物と遺跡がくっついているのがわかります。
-
建物を上から巨大なのこぎりで切ったようにも見える、不思議な光景。
アレーヌは建物に囲まれていて、こんな風に住居と一体化しているような部分があります。
地価の高いパリ。遺跡を残しつつ、めいっぱい建物を建てたんでしょうね。 -
古代の人々は、この闘技場の周りの階段みたいなベンチに座って、演劇や闘技を見ていたんでしょうね。
-
謎の柵つきスペースは、今は物置にしか見えませんが、かつては動物の檻だったようです。羊とかじゃなく、グラディエーター gladiateurと戦うライオンとかなんだろうなぁ…
-
檻の角を右に曲がると、2個目の出入口が遠くに見えます。外からだと、普通の公園の入口に見えそう。
-
アレーヌの説明とJean paulhanによる文が刻まれたプレート。文字の茶色もいい感じ。
ふぞろいな石の壁は、さすがアンティークなだけあり、なんとも言えないいい味。 -
この四角いスペースはなんだろう。
奇妙なまでの静寂感と、ダークなおとぎ話のような現実離れした雰囲気が漂っていて、パリのど真ん中にいるという実感がますます薄れます。 -
階段の上に枯葉が。周りを見回すと、夏らしい緑の葉っぱだらけ。一体いつ落ちたんだろう。
-
さっきの広場の方に引き返して、ステージに続く道を上っていきます。
-
道の脇には緑がいっぱい。びっくり箱からスターが残像を残しながらピョーンと飛び出てきたみたいな、3D感が面白い植物も。写真は二次元だから伝わりにくいですが、分かるでしょうか。
-
波に削られて滑らかになったかのような、貝みたいな雰囲気の階段を上っていくと、
-
左のステージには、会社員らしき人たちがシャンパーニュ片手にパーティ中。さらっとした夏風と緑が気持ちいいこんな場所だと、話もはずみそう
右には、空色に染まるJussieu大学のビルが見えます。ステキな手すり付きの階段を降りていきます。 -
遺跡にありがちな彫り物が。やわらかそうな石や永遠に残りそうなものを見ると彫刻したくなるのが人の性なのかな?
-
曲線が美しい手すり。左右に階段があります。
-
右側を降りてきました。
-
階段を降りると、公園Square Capitanが。象だかサイだかのすべり台、うさぎの遊具。
アレーヌの3つめの出入り口は、古代と違って平和な動物が楽しませてくれる公園でした。
味のある石壁・階段、静かで不思議な雰囲気のエリア
緑いっぱいの庭、手すり階段、スクエア
アレーヌといえば、南仏のNice(ニース)にあるArènes de Cimiez(アレーヌ・ド・シミエ)も、行ってよかったと思える場所です。ニース市街からバスか車でしばらく山を登らなくちゃなりませんが、遺跡と自然がたっぷり楽しめます。
夏の数日間は、ニース・ジャズ・フェスティヴァルの会場になります。ひんやりした夜にライトアップされた遺跡は、ぞくぞくするほどきれい。遺跡をバックにしたステージで、一つ見られるだけでも貴重なライヴが、同時にこれでもかと惜しげもなく繰り広げられ、異様なまでに豪華でした。夏の南仏はやたら混むのが難ですが、ニースとジュアン・レ・パンのジャズフェスは、ヴァカンスついでにライブしに来ているミュージシャンが多いのかやたら豪華で、真夏の夜のジャズが楽しめておすすめです。
オープン時間、住所、行き方、マップ
アレーヌのクローズ時間は、春秋冬は夕方で、夏だけ夜9時だそうです。季節により4時間くらい差があるのですが、
パリは真夏だと22時でも空がほんのり明るく、冬だと日照時間が短くて一日中真っ暗な日も多いので、自然なように思えます。
- 住所:49, rue Monge / rue de Navarre 75005 Paris
- アクセス:メトロ Place Monge、Cardinal Lemoine、Jussieu / バス(47、67、89)下車 徒歩数分
- オープン&クローズ:8h30~夕方(17hぐらい)、夏期~21hぐらい ・・・季節などによって、ふわっと変わるようです。
Message