ニュープリント上映される「ふたりのベロニカ」、イレーヌ・ジャコブ

「鬼才」と呼ばれるKrzysztof Kieslowski クシシュトフ・キェシロフスキ監督の『ふたりのベロニカ』が、フランスでも日本でもリバイバル上映されます。 映像、ストーリー、俳優女優、音楽、その他全てがまとまってできた、完全な世界。 好きな映画で、何度か見ました。

『La Double Vie de Véronique ふたりのベロニカ(1991、仏=ポーランド)』のストーリーを簡単にいうと、フランスとポーランドで別々に生きる二人のVERONIQUEが、目に見えない糸でつながっているという話。
見た後しばらく、自分にもドッペルゲンガーがいるかも…と気になった覚えがあります。
音楽は、同監督作品(愛に関する短いフィルム、トリコロール等)でおなじみのZbigniew Preisner ズビグニエフ・プレイスネル。映画にぴったりの、メランコリックで神秘的な感じがたまりません。

主演はフランス生まれのIrène Jacob イレーヌ・ジャコブで、二役を演じています。同監督の『TROIS COULEURS : Rouge トリコロール/赤の愛』(1994)では、ジャン=ルイ・トランティニャンと共演していますね。
この2作でのイレーヌは、神秘的で不思議な雰囲気で、ほんわりした色気があって魅力的。キェシロフスキ監督以上に彼女と相性がいい監督はいないのかもしれないと思うほどです。
やせ細った彼女がセクシーな役を演じる” L’Affaire Marcorelle(2000)”を、Forum des imagesのカンヌ出品前上映会で見ましたが、存在感も魅力もそこまで感じられませんでした。
Jean-Louis TrintignantとIrène Jacobといえば、Vincent Delermのファーストアルバム(映画好きなフランスのミュージシャン)にも違った形で出てきます。

キェシロフスキ監督作品は『TROIS COULEURS トリコロール』3部作や『Dekalog デカローグ』シリーズも好きですが、ベルイマンなどの北欧映画並に重くて、好き嫌いがかなり分かれそうなものもあります。『ふたりのベロニカ』は見やすいというのもありますが、静かで幻想的でどこか懐かしい雰囲気があるいい映画ですから、他よりリバイバル上映されやすいかもしれません。

「ふたりのベロニカ」ニュープリント リバイバル上映 公式サイト
3/25(土)-4/7(土)Bunkamuraル・シネマ

ふたりのベロニカコレクターズ・エディション

「ふたりのベロニカ コレクターズ・エディション」
初DVD化・HDリマスター版・豪華特典 デジパック3枚組が11月25日に発売されます。
本編は何度か見ているのでいいとしても、Disc 2:ドキュメンタリー集、Disc 3:キェシロフスキ監督 未公開短編集、気になります。

21/03/2006

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