パリの街道、と言うと美しいイメージですが、実際はそう優雅にはいきません。今回はパリの道についてメモします。
道路は信号ではなく自己判断で渡るもの
フランスの歩行者は、赤信号でも、信号がないところでも、自分の判断で道路を渡ります。
「そもそも交通ルールは人の安全を守るために作られたんだから、それに縛られるのは本末転倒。明らかに渡って平気な時に、赤信号だからって待つなんて無意味」という人が大多数です。
地面チェックと玄関マットは必需品
とにかく犬が多く、落し物の数も半端じゃないので、パリ住人は無意識レベルで道をチェックしながら歩く癖がついています。
さもないと「Merde!(クソッ)」と言いつつ地面に靴底をこすりつけなきゃならない惨めな目に合いますから。エッフェル塔やセーヌ河のきらめきに目を奪われていると危険です。
時間を経て見事に地面に馴染んだ伏兵的な「落し物」もあり、全部よけきるのは難しいようで、マンション共同玄関の靴裏拭きマットは、たいてい見事な茶色。しっかりゴシゴシやります。さらに自分の玄関ドア前にもマットを敷くという二段階方式をとっている住民も多めです。
それに比べると日本の道路はまぁ本当に綺麗。安心してぼーっと月や景色を見ながら歩けるって贅沢ですね。
道を歩きながら確認するくせ
後をふり返って怪しい人がいないか確認するのも、パリ住人の癖。
日本では、夜道で女性に後ろを振り返られると自分が怪しまれたようで不快・気まずい、という男性もいます。後ろに人の気配を感じても、振り返らない女性も多いと思います。
が、パリではふり返るのは全く無礼じゃなく、ごく普通のこと。日本人はお金を持っていると思っている泥棒もいるので、特に治安のよくない地域や夜間は、警戒しているとアピールするくらいでちょうどいいと思います。
あと、パリは石畳や凸凹が多いので、細く高いピンヒールは避けた方が無難です。穴にはまってポキッといきかねません。
強引な駐車、ボロボロな車
パリの道路脇には、ずらっと車が止まっていて、ちょっとびっくりするシーンも見かけます。
車がギリギリ一台入りそうなスペースを見つけた時、前後に停まっている車を自分の車でちょっとずつ押して移動させ、自分のスペースを広げて無理やり入り込む場面です。地域にもよると思いますが、割と普通らしいです。
日本では、傷がついたら修理に出す人も多いと思いますが、フランスでは汚れや傷やへこみを気にしない人も比較的多く、オンボロの車も走っています。
パリ郊外に住む友人も、商用のきれいな車は地下車庫に入れて大事にし、普段はだいぶくたびれた車を使っています。
いたずらやデモなどで、そこらへんにとめてある車が標的になることがあります。新年のStrasbourg ストラスブールでの車放火イタズラ事件は派手で、数年にわたって何回も繰り返されていました。
服と同じで、きれいすぎない方が強盗にも狙われにくいし、気軽でいいのかもしれません。
さらに、ここ数年、信号待ちしている車を襲って金品を奪う強盗が増えていて、本当に物騒としかいいようがないとフランスの友人は嘆いています。南米在住の親戚からそういう話をよく聞いていましたが、フランスまでそうなるとは…。
とりあえず、足元と背後と車には注意したいところです
追記:フン放置や吸い殻・ゴミのポイ捨てに対する罰金額を上げるなど、パリ市が対策を強化したのも功を奏したのか、歩道は以前よりだいぶきれいになりました。物騒な雰囲気や怪しい人々も減った印象があります。
パリ、変わったなと思ったところ
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