24時間365日、低料金で利用できるフランス パリ市のレンタサイクルは、
vélo(チャリ) + libre(自由な) = Vélib’ ヴェリブという、覚えやすい名前。
2007年から導入され、すっかり浸透しています。
station=駐輪場はパリ市内にたくさんあり、増え続けています。どこのVélib’駐輪場でレンタル・返却してもいい仕組みなので、乗りたい時に借りて、乗り捨てられます。行きは自転車・帰りは電車ということもできるので、自分の自転車で往復するよりも柔軟性があり、気軽です。
ショッピングでしょっちゅう店に入るなら歩きの方がいいですが、電車代わりに使うと気持ちよくて便利です✧
短所も書いておくと、ギア付きだけど電動アシストなしの22kg以上ある重いママチャリなので、上り坂はきついです。 (→ 2018年のリニューアルで、電動自転車が導入されました!)
また、フランスは、日本と逆で右側通行。自転車は車に近い扱いなので、歩道を走ると罰金です。小さな細い道は一方通行が多いので、気を使います。
自転車専用レーンがある道は走りやすいですが、バスと自転車が共用になっていることも多く、スリルを感じることもあります。
あとは、冬のパリの寒さは半端じゃないので、あまりオススメしません。
とまぁそういう点もありますが、普段歩いている道をさーっと走り抜けるのは予想以上に気持ちいいです。
VELIB’の借り方
station(スタシオン = 駐輪場/ポート)にドーンとそびえ立つ機械、borne。
画像左の旧タイプは、Navigo/Vélib’カードの読み取り機と数字操作パネルだけですが、
画像右のパス販売機タイプは、液晶画面とカードスロットがついていて、Navigo/Vélib’カードを持っていない人でも、クレジットカード決済でパスが買えます。(パス購入ができるBorneの設置場所)
パネルの指示に従い、1日券か1週間券のどちらかを選び、
借りたい自転車番号を入れ、
ICチップ付クレジットカード&カードの暗証番号を入力して、決済します。
Borneから出てくるチケットを取り、自転車の横のボタンを押して、貸出完了。簡単です。
リニューアル以前は、駐輪場の自転車を固定するBornette(ホルダー/スロット/ラック)についているカード読み取り機(Lecteur 上の写真)に、契約済みのVELIB’/NAVIGOカードを読み取らせて、レンタル開始していました。また、借りたい自転車をチェックしてから、Borneで自転車番号を入力する仕組みでした。
ですが、2018年リニューアルで、自転車に付けられた機械(V-box)で操作する仕組みに変わったため、自転車番号を入れる面倒はなくなりました。
新VELIB’では、パス購入後、Borneから出てくる紙に印刷された8桁の番号と、自分で決めた4桁の暗証番号を、自転車についたV-boxに入力するだけです。
・公式サイトでチケット購入、暗証番号設定まで済ませておくと楽です。
・borneは、フランス語、英語と、(一部Borneを除いて)スペイン語にも対応。多言語バージョンもたまにあります。
返却方法
先ほどの自転車ホルダーにガチャンとはめ込めば返却完了ですが、スロットが空いていない時は返却できません。これが結構よくあります。
そういう時は、誰かが出て行く方に賭けて待つより、borneで手続きして15分無料延長時間をもらってから、付近の空いているStationを公式アプリやBorneで検索して、返却しに行くのが手っ取り早いです。
Station数が多いのが救いですが、急いでいる時は厄介です。
これに関しては、東京都シェアリング自転車の方が便利。今のところ、なんとなく駐輪場内に止めればOKな感じで融通がききます。東京はまだステーションが少ないので、そうでなかったら困りますけどね。
2018年リニューアルにより、基本料ありの年間契約をしている場合は、自転車ラックが空いていなくても駐輪できるPARK+ という新システムが使えるようになりました。
料金
下記はリニューアル前のものです。 2018年の大規模なVELIB’リニューアルで、自転車本体や料金表などが変わり、値上がりしました。詳しくは、電動自転車も加わり2018年VELIB’がリニューアル*変更点、新料金表、使い方に書いています。
- Ticket 1 jour(1日券):1,70 €、
- Ticket 7 jours(7日券):8 €。
- 年間パスは、29ユーロのVélib’ Classique か、
39ユーロのVélib’ Passion(このプランは45分まで無料)が選べます。
14歳から26歳までの人は、Passionが割引料金で利用できます。
30分(Passionの場合45分)まで無料なので、「借りる・30分以内にいったん返す」を繰り返せば、基本料金の1,70ユーロだけで1日中乗り回せます。
逆に、無料利用時間を超えた場合の超過料金は、
31分から59分:1 €
60分から89分:2 €
それ以降は30分につき:4 € です。
使用時間が1時間なら1 €、
1.5時間=3 €、
2時間=7 €、
3時間=11 €が、基本料金に加算される計算になります。
短時間利用で回転をよくするため、借りっぱなしにすると高くつく仕組みになっています。
確かに、利用者が多いので、そうでもしないと自転車が借りられない事態になりますからね。
万一のために保証金150ユーロを預ける仕組みですが、何事もなければ返却されます。
借りている自転車が盗難に遭った場合は、申請が必要で、35ユーロが保証金から引かれるそうです。
そういう意味でも、借りっぱなしで路上駐輪するより、マメに返却した方がいいわけですね。
(料金は変更される可能性があるので公式サイトでご確認ください。)
上り坂がきついため、モンマルトルの丘の上などは空車になりがち。そのための対策として、標高が高い« Bonus V+ »stationに自転車を返却すると、15分ボーナスがもらえる仕組みになっています。標高60m以上の地点ですから、体力に自信がある人向けですね。
年間パスにする場合:
公式サイトで、Navigo ナヴィゴ(便利な電車用パス・定期券)にチャージするのが一番楽です。
ナヴィゴとヴェリブの紐付け作業は、サイトだけでは完了せず、Borneでの手続きが必要です。年間パス申請後に送られてくるメールに記載された利用者番号、有効化コード12桁、暗証番号4桁とNavigoで手続きすれば完了。
いったん手続きすれば、次回からNavigoをピッとかざすだけで借りられるようになるので楽です。しかも、もともと市民向けのサービスだからでしょうが、年29-39ユーロ(4000円台)と格安です。
年間パス契約にNavigoを使わない場合、専用カードを作ることになります。
Carte Vélib’だと、発行して送られてくるまで1週間程度かかります。
la carte Vélib’ Expressは即日発行ですが、ネットで手続した後、受け取り場所(今のところパリの各区役所)に取りに行く必要があります。
Vélib’を使う時便利なアプリ
ヴェリブ公式アプリ(iOS用)。stationごとの利用可能台数と駐輪可能台数がリアルタイムで表示されて便利。
便利な乗り換え案内アプリ。ヴェリブ情報も入っています。
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