LHR、フランス語のLとRの話です。ランバート・ヘンドリックス&ロスではなく
日本人は”R”と”L”の区別が苦手だといいます。
たしかキリンビールだったと思いますが、RとLを入れ替えたりする典型的な日本人発音で文を書いた、ブラックユーモアたっぷりなイギリスの古い広告を見たことがあります。
「ライス」と頼んだら、「シラミ(lice)?」と聞き返されるという話はよく使われる例ですが、ご飯を食べたいのに通じなかったら泣けてきそうですね。
英語の場合、耳が若い十代前半までに発音を習得するか、RとLを聞き分けて、脳内の別の場所に置く訓練で頑張るしかないかもしれませんが、
フランス語の場合は、”R”と”L”を混同させない簡単で効果的な対策があります。
自国語の音が脳の仕組みを作るので、どの国の人にも典型的な訛り・癖はあります。
ロシア・東欧系移民などで、外国語を話す時に”R”を巻き舌発音する人が多いのも一例です。
日本人の場合、きれいな外国語発音の邪魔をするのは、頭に刷り込まれたカタカナです。
避けたくても、日本は町中カタカナにされた外国語がいっぱいで、見ると意外と頭に残ったりします。
こういうのが潜在意識にドカドカ押し入ってくるのはイヤですが、日本語がカタカナ表記の外来語なしでは成立しないのも事実。
アルファベットとカナを併記すればいいのかもと思いますが、手間がかかるし長くなりますよね。
自分が知らない言語が併記してあったら、模様にしか見えないでしょうし… カナは受け入れるしかないのかもしれません。
せめて語学参考書くらいは、読み仮名をつけずに発音記号とCDを付けてほしいところですが、
いろいろな出版社からたくさん出ているフランス語参考書(特に初級・中級)は今のところ、CDが付いているものですら、フリガナつきがほとんど。そうした方が一見簡単そうなので、買う人が増えるのかもしれませんね。
こうなったら、カタカナによる刷り込みを逆手にとって、フランス語のRとLのフリガナを分けるという作戦がいいんじゃないでしょうか。
LとRの音は、こんなに違う
こちらは、RとLを含む単語の例です。ボタンで再生できます。
restaurant
rafraîchir
réfléchir
ralentir
miracle
France
フランス語の”R”は、カラカラうがいをする時のようにして喉の奥で作る音。
スペイン語の “J”(ホセの「ホ」)や、 ドイツ語などの “CH”(バッハの「ハ」)を、ちょっと弱くしたような音です。
一方、”L”は、口の天井に舌を押しつけて出す音。
こんなに似てもにつかないRとLを混同するなんて、本来ならあり得ないはずです。
その証拠に、外国人が日本人のRL混同を真似しようとすると、難しい脳トレ状態になります。
にもかかわらず、日本人が「なぜか」器用にRとLを混同するのは、ローマ字教育やカタカナ表記で「RとL=ラ行」と刷り込まれているのが原因です。
だから、もし基礎段階からRとLを別々に分ける教育がされれば、将来、日本人はRL混同癖から開放されるはずです。
カナを逆手にとってLとRを振り分ける
都合がいいことにフランス語では”H”が発音されないので、
“F”がたまに「フ」を使うのを除けば、ハヒフヘホはほぼ空き地です。
使われていないハ行を放置するなんて、もったいない!
ラ行はLに譲って、Rはハ行に移動すればいいと思いませんか。
そうして別々のカナで脳にインプットされれば、RとLは、右と左のようにきれいに区別されるはずです。
ポルトガル語では、Rをカタカナで書くのに、すでにハ行が使われています。
例えば名前のROBERTOは、ロベルトとも、ホベルトとも書かれますよね。
まぁ、今のところ、国名や都市名などの一般に浸透した固有名詞が変更されることはありえませんし、
ボンジュールを「ボンジューフ」、レストランを「ヘストハン」…と書いても通じなくてややこしいので、個人レベルではどうにもできません。
ですが、とりあえず参考書や辞書の中だけでもRのハ行表記が一般化すれば、将来日本人のフランス語学習のハードルがひとつ下がると思います。
中級以上を目指すなら、「耳や発音記号で覚える」の一択ですが、カタコトでも通じればいい!とカタカナで勉強している方は、書き換えてみるのもいいかもしれません。
Message
Paris を「パリ」と発音して通じるかもしれませんが、どうも下品に聞こえるようであからさまに顔をしかめられるという経験を持ってます(フランス人の語学先生に笑)。
「パヒ」でしょう♪これからは!
NyanBarouさん、また遊びにきてくださって嬉しいです。Paliってどこだっけ!?と一瞬真剣に悩んだのかもしれませんね:D パヒ、フハンスですね♪
賛成賛成!!!♪♪
r=は行カタカナ表記説を勝手に持論していたアタシ♪
NyanBarouさん、コメントありがとうございます。ハ行説をお持ちの方がいらっしゃったとは、心強い♪ 実施されないかなぁとますます思ってしまいます^^
トヘ・ビアン!私も同感です。
長年フランスに住んでいてもRか,Lの区別はいまだに分かりません。
よく間違って笑われています。
特に書く時はホントに困ります。
耳で聞いた言葉の意味を調べる時に
辞書を引いて、単語が見つからない時は
たいてい、RとL違い!
確かにハ行に聞こえる語が多々あるので
思い切って表記をかえて、カタカナに
置き換える方がいいかも・・・!
はるるんさん、こんばんは♪
本当ですよね。カタカナ仏語を辞書で調べても出てこない時なんて、
「ヘボン式ローマ字め!」と、八つ当たりしたくなります。
私は英語の時に、カタカナ読みを使うと初めは楽だけど後が怖いと思って、
フランス語はアルファベットで覚えるように気をつけたつもりでしたが、
それでも間違います。脳って不思議で困ります(>_<) 未来の日本人のために、「R=ラ行」カタカナ表記をやめるか、 いっそカタカナ表記を禁止してしまえばいいのになぁと思ったりもします。 RとLとか、BとVを間違えると、妙な意味の単語になるものもあって、 話の種としてはおもしろいんですけどね(^o^)