高校生以上の大人向けの発音矯正方法&日本訛りの特徴

「フランス語訛りの英語は世界一魅力的だと評価された」というニュースもありましたが、適度な外国人訛りは確かに個性や魅力になります。
ですが、どうせ外国語を話すなら、通じやすくて便利な、標準的な(きれいな)発音にしたいという人は多いですよね。

発音をマスターするには、ひたすら音声を聞いてリピートすればいいというイメージがありますが、10代後半ともなると、聞き分け能力もコピー能力もだんだん低下していくので、真似できているつもりでもうまくコピーできなくなるようです。

聞く&リピートだけは遠回り。大人には大人の方法

子供は、勉強の得意不得意に関わらず、コピー能力が高いため、外国語の音をリピート再生することができます。いったん聞き分け・発音ができるようになった音は頭にストックされて、他の外国語を学ぶ時にも役立つので、貯金みたいなものですね。

10代前半くらいまでならギリギリそれで大丈夫と言われていますが、小中学生の頃海外にいたのに日本訛りが強いままの人もいますから、意識しないで自然に吸収できるのは小さいうちだけなのかもしれません。
若いうちほど簡単ですから、一刻も早く始めるのがおすすめです。これからの人生の中で、今日の自分が一番若いってことで:)

ネイティブの先生を揃えた日本の語学学校もありますが、「ネイティブ」と言っても、耳がよくてその音の出し方をうまく説明できる人は稀で、とても貴重です。ただリピートさせるだけで、ちゃんと説明できない先生もたくさんいます。子供なら、それでいいんですけどね。
しかも日本にいるフランス人の先生は、日本人の発音に慣れている人が多いので、日本の学校で発音を褒められていた人でも、音声学や外国語の発音に詳しい先生に現地で習ったら、意外な音を修正されたりします。

運よくいい先生に習えても、独学しても、結局、10代後半以上の大人の場合、発音矯正のやり方は同じです。
1.正しく出せていない音を見つける(自分では気づきにくいので、ネイティブに指摘してもらうか、発音チェックツールで)
2.その音を出すための正しい口の形・舌の置き場を、頭で理解する
3.それを意識して発音練習したり歌ったりする

歌うのは結構効果的なようです。どうしてもフランス語のス、ツ、ズなどの音が発音できない(シュ、チュ、ジュになってしまう)のに、Serge Gainsbourgの歌を真似して歌う時だけは不思議と魔法にかかったようにきれいな発音になる韓国人を見て、実感しました。

発音の仕方を知る・チェックできる自習教材

辞書や初級参考書の発音説明は、大抵ざっくりしています。訛っていても相手が理解してくれればいいと考える人はそれでOKですが、誰にでも通じやすい仏語発音を目指す人は、早いうちに詳しく知っておいた方が賢明です。
学校で少しずつ習うのもいいですが、↓のような、各音の出し方や、日本語と仏語の違いが丁寧に書かれている本を読んでせっせと試行錯誤した方が、週数回学校だけで習うより、早く上達できます。

やさしいフランス語の発音
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音声認識機能付きのソフトで自習するのも一つの手です。

Talk to me - Auralog

上の画像は、Auralogという会社から出ていた外国語学習ソフト”Talk To Me”の発音特訓画面。
自分の声が自動録音&音声認識されてグラフで可視化され、発音できていない音があれば強調されます。画面右の口の動きの解説動画も見ながら、聞く&発音するを繰り返して発音矯正できるという優れもの。
このソフトを発音の有料自習コースに使っているパリの語学学校もかつてあったようですが、今あらためて調べたら、Auralogは2013年ロゼッタストーンに買収されてしまったそうで、現在このソフトは販売されていません。

ロゼッタストーンは、母国語を使わずに外国語を学べる語学教材の代表格。単語や文法などの説明はなく、写真や状況から意味を推測しながら練習し、自分で調べることで、留学感覚で外国語を身につけられる教材です。

ロゼッタストーンでは、発音が基準以上のスコアなら次の問題に進み、ダメならクリアできるまで繰り返し、という仕組みのために、音声判定機能が使われています。ただ、”Talk To Me”風の音声認識グラフをポップアップ画面で見ることはできます(下画像)が、小さくてお飾り的で、口の動きの説明動画もありません。
参考書や学校で発音を勉強して、このソフトで、語彙やフレーズを学ぶついでに発音チェックすると考えれば、いいかもしれません。

Rosetta Stone フランス語 Rosetta StoneRosetta Stone フランス語

日本語訛りの原因は、カタカナ

どの国のどの言語でも、訛りの原因は、

  1. 母国語に存在しない音を、近い音で代用する
  2. 母国語のルールを持ち込んでしまう

こと。日本語を母国語とする人の場合は、カタカナ発音が訛りの原因といえます。

1: 英語のTHやフランス語のRのような特殊な音は、初期段階から意識して練習するのでマスターできる人も多いですが、
逆に、フランス語の母音や、chemiseのCh、jeのJ など、日本語の似た音で代用しても通じる一見簡単そうな子音は、気づかないままスルーされ、訛りの原因になりがちです。
2: 日本語は子音の後には必ず母音がくっつきますが、フランス語には、子音が2個以上続くことがあります(連続子音)。日本語の「子音+母音でワンセット」というルールを外国語で話す時にも守ってしまい、連続子音の間に勝手に母音を挟みこむのも、日本人によくあるクセです。

連続子音に母音を足す日本語訛りをなくす焼き鳥式フランス語発音練習

日本の仏語参考書には大抵読み仮名(カタカナ)がふってあり、その方が一見簡単そうに見えるかもしれませんが、カナは、即効性があるけど副作用が強い薬のようなもの。罠です。

英語の場合、単語によって発音やアクセント位置が異なったりして、読み方が分かりにくいですが、
フランス語の発音は規則通りで、例外は多くないので、規則さえ覚えてしまえば、知らない単語でも読めます。

もっといいのは、文字に頼らず、まず耳から覚えること。
今は、スマフォやパソコンなどの読み上げ機能や辞書・翻訳アプリ、ネットなどでも音声が聞ける時代ですから、現地に住まなくてもある程度文字なし勉強は可能です。
これから勉強を始める人は、「音から学習」の割合を多めにするといいと思います。読み書き中心の勉強は、年を取ってからでもできますからね。

フランス語と日本語の違い

フランス語の母音は一定の太さで、子音は打楽器のように打つ

フランス語の音は、日本語・韓国語などよりもハッキリしています。
鋭く強く子音を発音し、お腹から常に同じ太さで音を出し続ける感じで話すため、母音はどっしり安定感があります。
日本語(標準語)の母音が、ふわふわ軽くて溶ける綿菓子のように感じるほど、フランス語の母音は、バターのように濃くしっかりしている印象です。
話す時は、奥の方(喉というより腹)から声を出し、舌(P,T,Lなど)や唇(Bなど)を少し強めに打ったりくっつけたり鳴らしたりするように意識すると、フランス語らしくなります。

フランス語では伸ばし方やアクセントで意味が変わらない

日本語は、長音「ー」や小さな「ッ」が入るか入らないかで全く違う単語になりますね(例:人、秘湯、筆頭、ヒット、ヒート)。
フランス語は、このように>詰め・伸ばし具合で意味が変化することはありません。
例えば、カタカナで「ムッシュ」と書かれるMonsieur(英語のMister)は、ムスュと短く言っても、ムッスュと「っ」を挟んでも、ムスューとのばしても、同じ単語として認識されます。
また、日本語のハシ(橋と箸)のように、音程によって意味の差が生まれるということは、フランス語ではありません。
日本語を学ぶフランス人にとって、その辺は難しい点です。

フランス語圏の人の訛り・方言

フランス語は、ヨーロッパ大陸のフランスだけでなく、フランスの海外県・海外領土(大西洋や太平洋、インド洋、南アメリカ大陸、南極周辺の島々)や、スイス、ベルギー、モナコ、カナダの一部、アフリカの多くの国々などで話されていて、各地に訛りや方言があります。
カナダのケベックのフランス語(Le français québécois / français du Québec)は有名で、発音が独特なだけでなく、(主に英語由来の)独特のボキャブラリーがあるため、聞き直さないと分からないことがあります。
近隣国スイスやベルギーのフランス語でも訛りがあり、フランスの古い言い回しが残っていたり、数字の数え方や単語の使い方が違ったり、少し違いがあります。
フランス国内にも、地方によってAccent(アクサン、訛り)があります。
例えば南仏のニースやマルセイユの発音は、パリ周辺の発音とはかなり違います。
語彙や助詞などが大きく異なる日本の方言とは違い、発音の違いがメインなので、理解はしやすいです。

さいごに

東欧訛りが強い人は、フランス語のRを巻き舌っぽく発音しますし、アフリカ大陸などの人で、Rを日本語のラ行に近い感じで発音する人もいます。
フランス本土ですら地方や個人によって幅があるので、神経質になる必要はありませんが、発音をできるだけきれいにしたい人は、
・カタカナで発音を覚えない
・それぞれの音の出し方や、日本語の似た音との違いを頭で把握して、意識して発音する
・歌を真似して歌う
・音声認識ツールでチェックする・できれば音声学や発音に詳しい先生や耳のいい友達にチェックしてもらう
などが近道です。
スポーツなどと違って、個人差よりも母国語の影響の方が大きいというのが、不思議なところですね。

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