水道水で顔を洗わないフランスの洗顔

フランスでは洗顔フォーム売り場を見かけないと思って、フランス人に聞いたら、「水道水がよくないから、目元用メイク落としとクレンジングでメイクを落とした後は(顔を洗わず)化粧水をコットンに染み込ませてふき取るのが普通よ」とのこと。
数人に聞いてみましたが、似たような答えでした。
水で顔を洗うという女性を見つけた時は、えっ大丈夫なんだ?と聞いてしまいました。平気なんだそうです。

Eau de beauté & Eau démaquillante

左:好きなナチュラル系コスメブランドCaudalieの、Eau de beauté。ぶどう、オレンジフラワー、ローズ、メリッサが入ったウォータースプレー。スッキリした香りで夏気持ちいいです。
右はNuxeのローズのEau démaquillante(ローションタイプのメイク落とし)。

フランスで、拭き取りクレンジングが便利な理由

水道水から白い物質が出るから

フランスではお皿を洗った後トレーにふせておくと、石灰のような白いカリカリした硬い粉のようなものがこびりつきます。
水中のミネラルか何かの固まりのようで、少量の絵の具か歯磨き粉を、水で薄くのばして塗って乾かしたような感じになります。どちらかというと化粧水よりはパウダーに入ってそうなイメージ。
なんにしろ、トレーを洗ってもまたすぐ白くなるくらいの含有量なので、肌についてこすると負担になるような気もしなくはありません。

日本から旅行でフランスに来た友達は、なぜかみんな洗顔料持参で、
「日本人は水で洗わないと気がすまないんじゃ!」と豪快に顔を洗っていましたが、
肌トラブルを起こしている様子はなかったので、短期的には問題ないんでしょう。
衛生上フランスは水道水が飲める国に入りますが、水道水を飲まない人もいるくらいですし、
もし肌にいいのなら、拭き取り洗顔がここまで普及しないのでは?と思います。まぁ、習慣的なものかもしれませんが。

フランスでは朝シャワーが主流だから

日本では夜お風呂でついでに化粧を落とす人も多いと思いますが、フランスでは夜風呂でなく朝シャワーが主流。ディナーにかける時間が長いし、夜中は流水音が響きやすくうるさいので、朝にした方が楽です。
特に冬場は、お湯が出るまで時間がかかるし、夜洗顔して髪や服が濡れると寒いので、
化粧も首についた日焼け止めも水なし・コットンだけで落とせるというのは、便利です。

水を使わない拭き取りクレンジング・洗顔方法

Bioderma Hydrabio

BiodermaのHydrabio H2O クレンジングミルク(敏感肌用マイルド)と、クレンジングリキッド(フレッシュ)。

クレンジングは顔用と割り切って、目元用をセットで

フランスのコスメ売り場を見ても、メイク落としはふき取りタイプが大半です。
洗浄力が弱いと感じるクレンジングもあるかもしれませんが、アイメイクアップ・目元用リムーバーがたくさん出ており、セットで使うのが当たり前と考えている人もたくさんいます。

顔全体用のマイルドなクレンジングと、マスカラやアイライナーが落ちる強力な目元用リムーバーの2つに分けて役割分担した方が、
肌への余計な刺激が少なくて済むので、いいシステムだと思います。
日本でも買えるものがありますね。

洗顔は水道水を使わず、拭き取り化粧水とコットンで

メイク落としの後は、顔を洗わず、コットンに染み込ませた化粧水で拭き取ります。
コスメ売場の化粧水は、ふき取りローションが圧倒的多数派で、日本によくある、直接手でつけるタイプの優しい保湿専門化粧水は少なめです。
クレンジングの補助係として、取りきれなかった汚れを落とすという大事なミッションを背負っているので、優しくなれないようで、
界面活性剤が入っているのか、振ると泡立ってシャボン玉が見られる製品もよくあります。

ボトルがそっくりなクレンジングとローションを見分けるためのフランス語

メイク落としは、ミルクタイプとローションタイプがあります。
ポンプタイプはクレンジングの可能性の方が高いですが、
ボトルの大きさ、形などデザインが同じで(書いてある文字だけ違う)、クレンジングなのか拭き取り化粧水なのか分かりにくい製品も多いです。
並べた時に揃うから、見た目はきれいなんですけどね。

目立つところにDémaquillant(e)と書いてあれば、メイク落としです。
アイメイク用は、Yeux(目)とかCils(まつげ)とか書いてあり、小さめボトルが多いので分かりやすいです。

Nuxe Lotion tonique

NuxeのLotion Toniqueのボトルは、文字を除けば、冒頭の写真のメイク落としと同じ。たまに間違えそうになります。

化粧水が洗顔目的なら、保湿は?

私はどちらかというと肌が強いというか鈍感肌で、
美容液などを使っても使わなくても差が出ず、気分的なものだと思って使いますが、
ただでさえフランスは年中湿度が低くて乾燥しているので、
さすがに拭き取り化粧水とクリームだけだと異様に乾いてしまい、
美容液やウォータースプレーと、こってりしたクリームやオイルを使わざるを得ません。

「ドライスキンも潤う」「保湿」と書いてあるものでも、拭き取りローションは、保湿に特化した化粧水とはやはり違うなと実感します。

フランスで無性に保湿化粧水をバシャバシャ使いたくなった時にちょうどいいのは、いろいろなブランドから出ている水スプレーです。

日本では、優しい水で洗顔し放題だし、ハイパワーな保湿化粧水だらけだし、夏は一日中保湿スチームやミストサウナみたいな気候だし、
VichyやEvianのスプレーを使っても、それほど良さを感じませんでしたが、
フランスで使うと、運動後に水を飲むかのように、ありがたく感じます。

まとめ:フランス式洗顔のメリットは?

フランス式クレンジング&洗顔は、
クレンジング(ウォーター/ミルク)、アイメイクリムーバー(オイル混じりのウォーターなど、液状のものが多め)、拭き取り化粧水で完結しますから、
コットンを含めて4種類、ストックを補充する手間がかかります。

ですが、朝風呂派の人が、夜メイクを落としたり、
バスルームと部屋が離れている家などで、手軽に洗顔するのに便利ですし、
水が使いにくい場所や、断水などで水が使えない時にも役立ちそうです。

シートにクレンジング液が染み込ませてある日本のメイク落としシートと比べると、使い心地は多少いい気がします。
パックのふたの締め方が悪くて水分が減ってしまうことがないですし、
クレンジングウォーターではなく、ミルクタイプをコットンにたっぷりのせて使えば、肌への摩擦・刺激が減らせるので、敏感肌でも使えそうです。

水道水と朝風呂のため、フランスではフランス式洗顔の方が使い勝手がいいのですが、
自分が日本に来た旅行者なら、日本では喜んで顔を洗うと思います。
こんなにきれいな水道水をたっぷり使って気持ちよくジャブジャブ洗顔できるのは、世界的にみると、相当贅沢なんじゃないかなという気がします。

08/08/2004

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