紙辞書は書き込みできるのが長所ですが、重くて持ち歩けないのが弱点。何冊もの辞書を常に持ち歩けて、気になった時さっと調べられるというのは最高で、書き込めないというデメリットも我慢できます。
仏語を勉強中の方におすすめを聞かれることがあるので、ずっと愛用しているiOSフランス語アプリについてまとめました。iPhone、iPad、iPod Touchにインストールして、長年快適に使えています。
このページでは、仏和・和仏辞典について書いています。
仏仏辞典(無料アプリあり)や、他の外国語を活かしながら学べる仏英・仏西辞書(フランス語←→英語、スペイン語他)や、フランス語動詞活用アプリなどについては、別ページ↓に書きました。
便利な仏和・和仏辞典
最初の一冊におすすめ!プチ・ロワイヤル仏和+和仏
- プチ・ロワイヤル仏和・和仏辞典 ¥5860 App Store
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フランス語学習用に初めに一冊買うなら、最新版の仏和(第4版)と、和仏(第3版)の2冊が入ったこの辞書がおすすめです。
(日本人がフランス語を)読む・聞くだけなら、フランス語から日本語に訳す辞書(仏和や仏仏)だけでもいいですが、会話やライティングもするなら、和仏があった方が楽です。公式サイトによると、収録語数は仏和4万3千語・和仏4万6千語。新しい版では、「メタボリック症候群」などの新語や、インターネット用語、各種専門語が追加されたそうです。
マニアック/レアな単語や定義や、例文の数は、後述のロベール仏和大辞典よりは少ないので、もの足りない時もありますが、日常生活には十分です。
このアプリの中身である、プチ・ロワイヤル仏和辞典(第4版)と、プチ・ロワイヤル和仏辞典(第3版)の紙版はこちら。
アプリは今のところ書き込みができません。メモできるという点では、紙辞書の勝ちです。飛ぶか歩くかしてくれればなぁ…
- 小学館 ロベール 仏和大辞典 ¥5800 App Store
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フランス語を「読む・聞く」時に便利な辞書、Robert。収録単語数が12万語と多いです。さきほどのPetit Royalは、仏和4万3千語ですから、大辞典というだけあります。
参考まで、クラウン仏和辞典アプリ(現在¥2900)は、4万7千語です。
他辞書にはないマイナーな単語も多いですが、日本語をフランス語に訳す時は、グリーンのプチ・ロワイヤル仏和&和仏アプリの方が使いやすいです。この辞書で日本語を検索した場合、「見出」タブでは結果が表示されません。
ただし、「用例」や「成句」タブに切り替えるとヒットするので、役立たずというわけではありません。
が、出方がまちまちで、しくみがよくわかりません。たとえば「木漏れ日」を前方検索する場合、「木漏れ」だけ入力すると、「見出」と「成句」は0件で、「用例」では3件の文例が出ますが、「木漏れ日」まで入れると、なぜか「用例」も件数ゼロになったりします(画像Aの中&右)。↑ 現在「日本語をフルで入れると0件になる」問題は解決していますが、「見出」タブに検索結果が出ないのは同じです。
プチロワイヤルと差別化するために、あえて和仏検索機能を制限しているのかな?ロベールは仏和辞典というタイトルなので、和仏の検索機能はおまけと割り切ればいいのかもしれません。
仏日翻訳に便利♪ 単語数が多いロベール仏和大辞典
プチロワイヤル、ロベールの使い勝手と、欲しい機能
上記アプリはいずれも物書堂から出ており、UIは共通デザインです。
以前は辞書ごとに分かれていたアプリが、物書堂アプリひとつになりました。
↓この画像は、古いバージョンのものですが、コンテンツ部分のUIは今もほとんど変わっていません。
アプリ下部のメニューバーが、現在は「コレクション、検索、ブックマーク、履歴、その他」に変わって設定項目が増えたことが、最大の違いです。
メニューバーが見えない場合:キーボードのアイコンをタップしてキーボードを隠すと、メニューが出現します。
デザイン、機能、特徴
- 入力した文字列について「見出」「成句」「用例」を調べられるしくみです(上の画像)。
- 前方一致、後方一致、完全一致を、タップで切り替えられます。頭につく文字で絞る時は前方一致、後ろの文字列で絞る時は後方一致で調べられるので、うろ覚えの時にも便利です。
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色設定で色を変えられます。
アプリごとに別々の色に設定しておけば、どのアプリを開いているかわからなくなることはありません。アプリのカラーを9色から選べます。背景もダークモードなどが選べるようになりました。 -
オフライン使用でき、動きも軽めです。
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アプリ起動時に、前回の検索結果を残すか、クリアして空白ページを出すか選べるあたりも、地味ながら便利。細やかな気配りを感じます。
右下の「その他」タブ → 「設定」 → 「検索文字を消去」をONにすると、アプリ起動時に検索フィールドが空になります。OFFにすると、前回検索した文字列が検索窓にそのまま残ります。
シェイクで消去、クリップボードからの検索も、設定できます。 - 音声再生機能があり、プチ・ロワイヤルは音声再生ボタンで、ロベールは発音記号をタップして、メジャーな単語の発音を聞けます。マイナー単語の発音は入っていませんが、辞書アプリはそれでなくても大容量なので、容量節約になってちょうどいいと思います。フランス語の発音はほとんど規則通りですから、英語ほど必要ないですしね。
- 動詞活用も、数字をタップすれば見られます(上の画像)。
- ページ下部のタブ(iPadでは上部)で、調べた語句の履歴、ブックマーク、付録(動詞活用表、重要語)、設定にアクセスできます。
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ページ内の語句や例文を長押しすると、ブックマークに登録したり、その語句のページにジャンプできます。一つの単語のページ内に気になる単語があれば、タップでどんどんハシゴできて、ものすごく使い心地がいいです。
ブックマークには、見出し単語だけでなく、用例(熟語や例文)も登録できます。
この、用例の登録は、便利です。
見出し単語を登録すると、ブックマークのリストにフランス語の単語だけが表示されますが、用例を登録すると、フランス語の文と日本語訳がセットで表示されるため、一目で内容が分かります。ブックマークなんか見ないで、全部覚えればいいことですけどね
欲しい機能
昔使っていたパソコン版のプチロワイヤル辞書と比べて不満なのは、項目やメモの追加機能がないことです。
辞書に載っていない項目を手動で加える機能と、既存の単語のページにメモを追加できる機能があれば、紙辞書並にカスタマイズされたマイ辞書になるので、アプリ版にもなんとかついて欲しいところです。
古いバージョンのメモ
先ほどの緑の仏和+和仏は、2011年の辞書です。このグレーのアイコンの仏和+和仏は、辞書の中身がその一つ前の、2008年版です。この旧版は、現在では発売中止になっていますが、2021年現在でも問題なく使えています。
ピンクは和仏なしの仏和辞典。仏和辞典はフランス製の仏仏辞典(種類豊富で安い)で代用可能だから和仏だけ欲しい、という人に親切です。
このピンクのアプリも発売中止になりました。というわけで、グリーンかイエローの2択になりました。
まとめ
和仏の能力をとるならプチ・ロワイヤル、フランス語の詳しさをとるならロベール仏和がいいのではと思います。どちらも、仏仏辞典が何冊も買える価格ですが、使い勝手が良く、長期間問題なく使えています。
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